Night Large Snake

顔は綺麗で、顔が怖いというか…。

雰囲気が、ピリピリしていた。

こっちに背を向けていた海も私を見る。

隠れる必要は無いけど、なんだか行きづらい。

「あぁ。」

でも、海はレアな笑顔を見せてくれたから魔法のように足が動く。

「初めまして。」

海の後ろに隠れつつ、挨拶をする。

きょとんとした顔でその子は私を見た。

「…なんか、金魚みたいな子。あんた水草ね。」

「は?」

「じゃあ、あたしは面倒なのが来ないうちにここ出るから。近々、連絡する。」

「あぁ…はい。」

敬語で答える海は、初めて見たかもしれない。



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