Night Large Snake

「陸っていうの。」

「聞いても良いか?」

…何を?

声には出さないで、見上げた。

「お前の妹のこと。」

「面白い話じゃないよ?」

「そんなの期待してねぇ。」

分かってます。

私は視線を下げて、海のゴールドのチェーンを見る。

海、眠くないのかな?

そう思ったけど話す。

「交通事故で、一応即死では無かったのだけど。一年間、機械に繋がれて眠ったままで。
私が中三の卒業式手前の時に、死んじゃった。」

死んじゃった、なんて。簡単に口にする言葉じゃないのは知ってる。

でも、もう大丈夫だって伝えたかった。



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