Night Large Snake

海は何も言わない。

だから、なんて心の中で言い訳して話す。

「…その時、なんだ。」

「何が?」

「手首切ったの。」

海と出会ったばかりの時。

強引に手首を掴まれて、回数を当てられた。

思えば、いつだって海は真っ直ぐだった。

…あ、話が逸れた。

「その時も篠原と黒川と居たのか?」

「…うん。」

そう言うと抱きしめられる。

暖かくて、私の方が先に眠ってしまう気がする。

目を閉じかけた瞬間、唇にキスをされる。

驚いて目を開けると、海のしてやったり顔が見える。



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