Night Large Snake

「初めて会った時?」

目を瞑ったまま海は促す。

「似てるって思った。夜に溺れて、ひとりになったんじゃないかなって勝手に考えちゃってた。」

あの頃を思い出す。

夜の繁華街を彷徨いて、金髪の海を見つけた。

綺麗だなって思ったら、結構俺様で総長で冷たくて強かった。

「似てるじゃねぇ。」

握ってた手を握り返されて、ぐっと引き寄せられる。

間なんて無い。

必要無いのかもしれない。

「同じ、だろ?」

ギュッと抱き締められて肋骨が折れるかと思った。

折れても良いと思った。



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