Night Large Snake
ブラのホックが外れる音に、顔が紅潮したのが分かった。
繋がれた手が、
指先が、
熱い。
「突き飛ばせよ。」
耳元で囁かれて、ピクリとする。
「え?」
「止めろって、今すぐ言わねぇと止まんねぇ。」
変わる?
変わりたい?
…違う。
私は海の首にしがみついた。
「海。」
「あ?」
「好きだよ。」
「あぁ。」
「大好きなの。」
ねぇ、これってどう表現すれば良いのかな?
どうしたら海に全部伝わるかな?
「俺は愛してる。」
──殺したいほど。
あの時聞いたホラーのような告白と、愛しいくらいの痛みが襲ってきた。