Night Large Snake

愛し合っていなくても、同じものを愛せる。

その証拠が、陸。

「嬉しくて…泣きそう。」

「もう泣いてっぞ。」

「あ、本当だ。」

首筋を優しく掴まれて、抱き寄せられる。

海の胸に密かに顔をスリ寄せた。

「…不謹慎だな、お前の妹の前で。」

笑いを噛み締めるような声を海は出した。

確かに不謹慎かもしれない。

それより、陸は私が海と一緒に居るのに驚いた顔をしているかもしれない。

「…いいの。」

「あ?」

「見せつけて、あげたいの。」

普段ならそんなこと言わない。



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