Night Large Snake

それでも、海は私の背中に回す腕に力を入れた。

痛い。

痛いくらいの力は、海の優しさと愛と同じ。

「海…ありがとう。」

「何が。」

「海に会えなかったら、今死んじゃってた。だから、ありがとう。」

私もギリギリ背中を回る腕に力を込めた。

隙間とか要らない。

体にも心にも。

「…お前はいつもそう言うけど。」

呟く海を見上げると、息をする間もなく唇が重なった。

…ちょっとそれは想像してなかったかも…!!

容易く入る舌に、歯列をなぞられてゾクリとする。

「…ん…。」



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