Night Large Snake
でも、綺麗だなって感じた。
ギャルの子のミルクティー色の髪も。
危ないキラキラした看板も。
ゲーセンからもれる微かな光も。
すべてが綺麗。
…私、諦めなかった。
最期まで、今までよくここまで生きてきたって誉めてもらっても良いくらいだと思う。
路地裏に入った。
繁華街に慣れていないせいか、どこだか全然わからない。
上着のポケットから、指輪とカッターを取り出した。
「…綺麗。」
夜は素敵だと思う。
全てのものを、綺麗に映せるから。
指輪をしまって、長い袖を肘まで捲る。
白い包帯が手首に見えた。