Night Large Snake
A scar.
海は京の頭にチョップを落とした。
京は顔をしかめて、こっちを向いた。
「…何か用?」
「熱いとこ悪いけど、奥の部屋貸せ。」
「あぁ?何で?また女…「大原雨水。」
京の言葉に被せるように九条さんの声が聞こえた。
しかも、海の背中に隠れている私の事を。
透視能力でもあるんスか!?
「…わぉ。」
京の位置からは全然見えなかったのか、平仮名英語風に驚いている。
「家族旅行から帰って来た?」
さっきとは違い、警戒の解いた声。
海の横から覗いた京に、私は頷く。