Night Large Snake
「何が?」
綺麗な顔に見とれて、反応が遅くなる。
「こういう男の傍らに座り込むこと。」
まるで自嘲するような口調で、私に言う。
その姿があまりにも、似ていて。
「同類かなぁと思って。」
思わず声に出してしまった。
怪訝な顔でこっちを向いた金髪男。
「携帯貸してくんね?」
さも、私が携帯持ってるの前提みたいに手を差し出した。
まぁ、持ってるけど。
私は鞄から群青の携帯を取り出して、金髪の手に乗せた。
金髪男は自分のもののように、慣れた手つきで私の携帯からどこかに電話をし始めた。
横を振り向く金髪男の耳には、青い石のピアスがついていた。
「…あー、なぁお前家に帰んの?」
急にこっちを向いた。