Night Large Snake
海はその言葉を無視して歩き出した。
奥の部屋には、誰もいなくて、チカチカするような紅いソファーとテーブルが並んでいる。
扉を閉めるとBGMが遮断されて静かになった。
「座れ。」
紅いソファーに座らされ海はその正面の低いテーブルに腰掛ける。
「…何?」
そして海は、
「手首、見せろ。」
とてつもなく不快な事を言ってきた。
それも怖い顔で。
見せなくば犯すぞ、というオーラで。
でも、私は手首を後ろに引っ込めた。
どんな近くにいる人にもしない。
中学の時の友達は、知ってるけどあれは見せたんじゃなくて見られた。
…例え、親でも知らないのに。