Night Large Snake

この前以来、あんまり距離は感じなくなった。

しかし、自分で思うのはアレだけど頭の回転が早い私は、ちゃんと言い訳を考える。

「ほら、水場の周りって水たまりっぽいの、出来るでしょう?」

ローファーを地面に置いて履く。

海は納得はしていない様子だったけど、私が隣に並ぶと歩き出した。

校門を出ると、車が止まっている。

海は助手席に、私は後部座席に座ると勝手に車は動き出す。

「向こう。」

海の一言で、行き先がわかるように最近なった。

『向こう』は、溜まり場の事。

『あっち』は、私の家の事。

「…嘘。」

距離を感じないなんて、全くの嘘。

でも、距離を感じるのは私だけ。




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