Night Large Snake

その時、普通の車が家の前で止まった。

京が運転している。

…大丈夫?

他の高校生が運転してるのを見た事はあるけど、京は…なんか危ない気がした。

「助手席乗って良い?」

と九条さんは私に聞いてきた。

黙って頷く。

私は後部座席に乗ると、「どこ行く?」と京は呟いた。

「ファミレス。」

「あいよ。」

九条さんの一声で、京は車を動かす。

「…にしても、あの女いつまで海にまとわりつく気だよ。一生か?殺されるまでベタベタ来んのかよ。」

京は言う。

あの女って、きっと海の彼女のこと。

ベタベタっていうのは、きっと京には言われたくないだろうけど、何か違う。

京と九条さんのベタベタと海の彼女のベタベタ。

論文とか書けるかもしれない…。




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