Night Large Snake

車の中は、とてつもなく重い空気。

そして、海が離さない私の手は小刻みに震えていた。

…離して欲しい。

海の彼女に触れた手で、私の手を掴まないで欲しかった。

でも、それじゃあ私が意識してるみたい。

「…痛いから、手離して?」

海に言った。

海は少し私を見て、目を閉じる。

寝たふり!?

信じられない、と反対に目を見開く私。

その時、手の力がふっと緩んだ。

「…離して欲しいのに…。」

「あ?」

「何でもないです。」

頭を振って、否定をしてみる。




< 94 / 525 >

この作品をシェア

pagetop