Night Large Snake
離されない手に、気まずい空気。
運転してる人で良いから何か話して!!
そんな切なる願いも闇に溶け込み、夜の暗さを映す窓。
「…海の彼女って、可愛い子なんだね。」
私は馬鹿だ。
あまりにも話題がないからと言って、何故自分から地雷を踏むような真似を!?
ついに狂ったらしい頭の中がグラグラ揺れる。
「…あ?」
「いや、ただ可愛いなって思ったから。」
頭の中は腐ってるらしいけどさ!
九条さんの嫌みを思い出す。
「黙っとけ。」
低い声を出す海は、微かにこっちを睨んでいる気がして困った。
沈黙に耐えられなくて喋ったのに。