続!イジワル王子とお姫様
ナツキくんは杏に笑いかけたあと、そのまま私をチラッと見た。


……きゃ。ポッとなった顔を見られたくなくて、思わずナツキくんから視線をそらしうつむいた。


そしたら目の前のネットを、誰かがガシッとつかむ音がした。


「おい」


おい? え……と。その声は、ナツキくんだよね。て、コトは呼ばれてるのは私?


そぉっと顔を上げると、ナツキくんがネットをつかんで、私を見ていた。


ひゃあぁっ。


しかもナツキくんはニッと笑っている。


「な……なにっ」


「なにじゃねーよ。桃香、今日やっぱ一緒に帰ろ。オレ、待ってる」


< 128 / 393 >

この作品をシェア

pagetop