続!イジワル王子とお姫様
店員さんがテーブルを離れると、ナツキくんは開いていた雑誌を閉じて、元々置いてあったラックに本を戻してくる。


「あれ~、読まなくていいの?」


「いい。桃香見てる方がおもろいから」


『おもろい』って、喜んでいいのか微妙。


だけど、まぁいっかぁ!


せっかく向かい合わせで喋れるのに、雑誌ばっか見られてたんじゃ寂しいもんね。


しばらくすると、コーヒーが私たちの前に運ばれてくる。


「うわ~、いい香りぃ」


カップに顔を近づけクンクン嗅いでると、ナツキくんはプッと失笑した。


「すげーな、桃香。一応、香りとか……わかるんだ?」





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