続!イジワル王子とお姫様
カバンを持ってナツキくんの部屋を出る。


ナツキくんは、私のうしろからついてきて、軽く背中を押してくれていた。


「痛っ」


部屋を出る時、なにかにつまづき足もとを見ると、ろう下に紙袋が置かれていた。


紙袋の上には、布がかぶせられていて中身はよく見えない。


「なに? それ」


「あぁー、多分カメラ。親父が使ってないヤツ出してくれるよう、頼んでたから……。

しっかしなんで今?」


ナツキくんは舌打ちしながら紙袋を持ちあげる。


「カメラ……なにに使うの?」


「学園祭にカメラ持って行くコトになってさ。周りはオレの腕に期待してっけど、んな才能ナイっつの」


そっかぁ。お父さんが有名なフォトグラファーだと、


ナツキくんも撮影がウマイって、勝手に期待されちゃうんだね。


ナツキくんは、布をパラリとめくる。


「……げっ」


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