続!イジワル王子とお姫様
蝶野さんの方が被写体としては最適なのかも。胸もあるし、うらやましいな。


思わず自分の胸を見てみる。


「自信なさ気にうつむかなくていいよ。桃香ちゃんには、また違う魅力があんだし」


「アハハ……」


そういう意味でうつむいてたワケじゃないんだけどね?


「実は蝶野さんって、ナツキ先輩に撮ってもらおーとしてんだよね。

間宮遥賞を、息子がとったとなれば……すげー話題になるだろ? それ、狙ってるらしー」


えっ! ナツキくんに……?


「けど、ナツキくんは……カメラなんて……」


「そうそう、そこなんだよねー。ナツキ先輩がカメラを持たないワケ。

その原因を、オレが作っちゃったもんだからさ。せめて償いをしたいと思ったわけでして」


伊勢谷くんは大きな瞳をキュッと細め、私ににじり寄ってくる。




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