続!イジワル王子とお姫様
それは……“作品”として、だよね?


特別な意味なんて、こもってナイはず。


自分に、そう言いきかせる。


それに蝶野さんは……イジワルだから、ナツキくんが言った言葉とは、違うかもしれない。


負けないから!


ニコッとわらって、蝶野さんにお礼を言った。


「じゃ、お金借ります。今度、ナツキくんと一緒に、3年生の教室に返しに行きますね?」


私がそう言うと、さっきまでにこやかだった蝶野さんの笑顔が、一瞬引つった。


うわぁ……やっぱり、敵対心持たれてるよぉ。


苦笑いになりそうだったから、慌てて自販機の方へと向き、ジュースを買った。


「じゃぁ、さよならっ!」


今度こそこの場を去ろうと思ったら、また蝶野さんに引っ張られた。


う~っ、今度はなんなのぉ!?


いい加減、解放して下さい……。

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