続!イジワル王子とお姫様
休憩時間が終わり、ステージの幕が開く。


体育館全体のライトが落とされ、辺りは真っ暗になる。


「ただいまから……2年1組有志によるバンド演奏……」


ナレーションが聞こえ、私の胸もドキドキしてくる。


蝶野さんが、そっと肩を抱いて、耳もとで内緒話をしてきた。


「桃香ちゃん。ナツキくんにエールを送ったら?」


「へっ?」


「演奏してる間ってかなりうるさいでしょ。

「こっち向いてー」って叫んでも、演奏してるナツキくんには、桃香ちゃんの声は聞こえない」


「それが……なにか?」


「私……今からナツキくんにエールを送る!

聞こえてないだろうけど、この場でなら……思い切って告白できそうな気がするの。

この騒ぎの中、どっちの声がナツキくんに届くか、競走よ!」


えぇっ?


蝶野さん、なに言っちゃってるのぉ?

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