続!イジワル王子とお姫様
「さっきのは、伊勢谷に近付いた、お仕置き」


「へっ?」


「言ったろ? 喋んなって……」


ナツキくんは私を抱きしめたまま、顔をプイと背けた。


「だってぇ……。あ、そうだ。ハンカチ返さなきゃ」


「ホラ、まだ言ってるし。オレが返しとくから」


「うん……。なんか、ナツキくんって……」


「なに?」


「嫉妬深いよね。それって“愛されてる”って、思っていいのかなぁ?」


「……アホ」


コツンと、頭を小突かれた。


「エへへ。けど、伊勢谷くんが賞とったりしたら……お礼ぐらいは言いたいな」


「それも、悔しいけどオレから言うし?」



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