音を奏でるとき
じ
─────数日後。
あれ以来、拓実は練習に出ていない。
「じゃあもっかい今のとこやってみよっか」
俊哉が聞く。
「?椎夏ちゃん?」
椎夏はほけーっとしている。
「おーい。椎夏ー!」
弘人が耳元で叫ぶ。
「えっ?あ、お菓子?それならここに…」
「拓実の事、気にしてるんでしょ?」
「う…ん。なんてゆうか、私が一方的にいろいろ決めちゃったから…」
「本人。そんな気にしてないと思うよ?」
「そうかな…」