★逆恋☆
★maiden☆
「何……これ…。」
試合を終わったあたしには
目の前の状況は衝撃すぎた。
その一言しか出てこない。
「何って………ファンの子達から♪♪」
真衣がそう言ったのも聞こえない。
ベンチに置いてあった袋。
あたしの財布とかタオルとか携帯が入ってあった袋の上に
………所狭しと飲み物やお菓子などが積み上げられていた。
合わせて20個ぐらいはあるだろう。
その妙な山のてっぺんには
『紫乃さんへ☆』
『王子頑張ってくださーい!!』
などの激励のメッセージもあった。
こんなに熱狂的なファンがいるんだ………
「大変だねぇ………ι」
真衣が呟いたのが聞こえる。
あたしは
がっくりと肩を下ろした。