★逆恋☆
疑問とか困惑という感情が生まれる前に


浩二先輩は言った。
さっきまでの温もりがすでに恋しい。











「ごめん……好きだって言ってるのに付き合えないとか、おかしいよね。」







哀しく笑う先輩を見ていたあたしは一体どんな顔だったんだろう。

泣きそうなのだろうか。






そんなあたしを元気づけるかのように
今度はいつも通り笑う先輩。














「俺……こんな適当な奴だけど、一応受験生なんだよね笑
真衣ちゃんのことはもちろん好きだけど、進路の為に今は付き合わない方がいいと思うんだわ。」




















進路。





先輩の将来。





その言葉があたしの頭の中でサイクルする。


















先輩の進路は



あたしなんかで左右されちゃいけないんだ、と激しく感じた。

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