手を繋いで…
突然の電話
『美奈子〜電話やで』
ルームメートの美咲に
美奈子は叩き起こされた。
『まだ 5時やん』
朝っぱらから 誰やねんと愚痴りながら電話に出た。
『もしもし?誰?』
ぶっきらぼうに問いかける美奈子に
『俺です。勝です。姉さん お久し振りです。』
普段の勝のおっとりとした 喋り方やない
『どうしたんや?えらい慌てて それに 朝っぱらから 何なん?』
『姉さん、すぐ こっちに帰ってきてもらえませんか?』
『やから 用件 先 言うてよ! 帰ってこいって うち学校あるねんで…休みやったらともかく すぐって…話には順序あるやろ!』

すごく嫌な予感がした… まさかね…

『すみません…俺も動揺してて…姉さん 落ち着いて聞いて下さい』
『うん…何?』


『兄さん、真さん…
亡くなりました』

えっ!何いうてるんや? 美奈子は 耳を疑った。

『今 あの人 死んだって言うたか?うちの空耳やな?』
そう確認する美奈子に
『空耳やありません…
すぐ帰ってきて…姉さん …』
と 言ったきり
勝は電話口で 泣き始めた ……

嘘や!
一週間前 帰って逢った時 笑顔やった…
そんなん絶対ありえへん!
うちは 信じひん!
真が死んだやなんて
信じひん!
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