手を繋いで…

胸騒ぎ

『もしもし・・・美奈子です。真・・・真さんいらっしゃいますか?』

真の嫁が電話にでたんや。

『あっ 美奈子さんの所にあの人行ってませんか?』
『いないんですか? 何のんきに あなた 家にいてますの? 何で いなくなってすぐ うちに連絡してこんの?あなたに真を任せるんやなかった・・・・』

『2日前から 出て行ったきりで・・・・ごめんなさい・・』

『2日前・・・電話くれたんやけど うち 素っ気なく あしらったんや。あの人には守らなアカン家庭がある。奥さん 2人め妊娠してる。うちは あの人から 逢いたい言われても 辛抱せなアカン そうやって 気持ち抑えて あれから 過ごしてきてんよ。あなたに 真 預けるんやなかった。とにかく今 こんなこというてもアカンから 帰ってきたら すぐ連絡ください。うちも 真から 連絡あったら 必ず連絡しますから。』

そう言って 電話を切った。

うちは 嫁を責めるつもりもなかったのに
やっぱり 抑えきれんかった。
うちが 嫁やったら
うちが 真の傍にいてることができたなら
姿消すことなんてありえへん。

けど 真 どこ行ってしまったんやろ?
今 何考えてるん?
今 ひとりで どこ さまよってるん?

はよ 家に帰って。
家に帰りたくないのやったら もっぺん 連絡してきて。

< 117 / 122 >

この作品をシェア

pagetop