手を繋いで…
『オーナーいてはりまっか?邪魔するで』

ざわついている店内…

支配人が慌てて 案内をする…

『ボス…○○組の兄貴さんがお見えです。お通しします』

えっ ヤッパリ 幹部やし
社交辞令が終わり…

『オーナーさんよ この娘覚えてはりますか?』

………………

『忘れた言わせませんで! お宅が イタブって楽しい思いしたん忘れた言わせませんで』

…………
『美奈子 よう 見とき』

『はい』

『1年かけて 俺が手塩にかけて 美奈子を一人前の女にした…もう一回 味おうてみるか?』

『兄貴さん…勘弁して下さい』

『後は 自分で考えなはれ…ほな 美奈子 行くぞ』


『おっちゃん ありがとう』

『泣かんとよう頑張ったな。今夜が おっちゃんと美奈子のお別れ式や…おっちゃんといてても 美奈子の将来 あらへんしな。復讐させたるて約束したやろ。約束果たしたぞ。明日から普通の高校生に戻るんやぞ。若い衆にも 街で美奈子を見掛けても知らん顔するようにいうてある…
もう二度と おっちゃんを訪ねてくるな えっか!わかったか!?』

『ありがとう』

その日以来 美奈子は

夜の街へ 足を運ぶことはなくなった。


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