手を繋いで…
それから 1ヶ月以上が過ぎたある日

電話がかかってきた。
浩二クンやった。


『何で 番号わかったん?』

『あゆみに聞いた』

『なんやて? よう 自分の彼女に よその女の電話番号きけるな?』
『あゆみには 友達紹介したいから 又聞きより 直接聞きたいことあるから 教えてくれって いうたんや』て…

『紹介してくれるん?』

『そのつもりやった』

それって過去形やん…
ほな どういうつもりやねん。

『映画 次の土曜 みにいかん?』

『アンタ 何 自分がいうてるか分かってる? あゆみ 誘ったらえぇやんか!そんな変な電話やったら 切るで』

馬鹿馬鹿しい…

男はみな こんなんけ!?
ホンマ なんか むなくそ悪いわ…

『うちな そいうの 嫌いやねんな…それに そういう男…ごうわくのや…』
地元の言葉丸出しで
声のトーンも低く
言った。

女を馬鹿にしてる こいつ…

あゆみが可哀想やし
他 めぼしい女にも こやって誘ってるとしたら…


あゆみは 可愛い純な女の子。
傷つけられたら どうしよう…

浩二クンが 誘ってきたこと言う方がえんやろか…

どうしよう…

あんな男やめときって言おうかな…

忠告するんが友達やんな…
黙ってみてみんふりがえんやろか…

頭の中 グルグルした。

浩二クンからの電話は
一方的に 切った美奈子やったけど
後 どうしたらえんか
わからんかった。


恋は盲目っていうやん。

あゆみ その真っ只中やったから…

< 73 / 122 >

この作品をシェア

pagetop