私の名前も呼んで
今日も校門を出た所で、隣の男子校の男の子に声を掛けられた。
いつもと違うのは、今日は私が1人だという事。
「桜ちゃん、ファンなんだ」 照れながら話す彼も1人で来ていて、見た目も爽やかで押し付ける感じがしない。
「あ、ありがとうございます」
私もドキドキしながらもちゃんと答えた。
「急に怖がらせてごめんね。桜ちゃんがオレらとあまり喋ってくれないの知ってるから大丈夫。これ読んで下さい」
紳士的な彼は、私に小さな封筒を渡すと、笑顔を残し去って行った。
手紙貰っちゃった。
ど、どうしよう…。
すぐさま私はまだ委員会で残ってる里奈にメールした。
返事はすぐにはないだろう。私は後で電話しようと、取り敢えず家に急いだ。
これが新たな出会いになるとは思わずに…