約束 〜promise〜
「若井、さ、ん?」
すると、突然若井さんの動きが全て止まった。
次の段階に進むべく体が動いていたのに、なんで?
「やっぱ、"若井さん"って、やだ。名前呼んで」
「へ?」
付き合い当初、なかなか名前を呼べないあたしに、若井さんは気を使うことないと言ってくれたけど
どうも上手くいかなくて…
「ほら、呼ばないとこのまま放置だぞ」
「…っ」
だって、恥ずかしいんだもん…
「香苗?」
でも、このままで放置も恥ずかしいし…体が…
こんなこと思うなんて、あたしってばどうかしてる!
ええい!!!
「こ、うた、さん」
「聞こえない」
勇気を振り絞って名前を呼ぶも、若井さんは聞こえてないふり。
鬼畜!!!
「っ、孝太さん!!!」
勢いに任せて名前を叫ぶと、あたしは真っ赤な顔を隠すために若井さんに抱きついた。
「ん、よく出来ました」