ただそれだけ、
体育館に戻ると、
大きな後悔が襲いかかってくるような
ぞわぞわっとした風が
私の背中を押した。


何て書いたかわかっていなければ、
保方にしてみれば、
不思議な行動ばかりしている
不思議な野原月乃(ノハラ ツキノ)さん。

そんな人だと思われたんだろう。

その後、
結局お互い何もゆわずに
練習が終わって、
皆がざわざわと声を出して
廊下を歩き、
それぞれの教室へ足を進めた。


私は、
一歩が重いよ。

自分の足なのに、
人間の足なのに、

鉄のように重く感じた。
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