泣かない理由
課題のプリントを鞄にしまい、蒼の入れてくれたココアをのんで、ホッと一息。

時計を見ると、針は22時半を指していた。

「そろそろ帰らなきゃ」

「そうか、送ってく」

蒼のいつもとは違う発言に、私は驚いた。

「どうしたの?急に。すぐ近くだし、大丈夫だよ。」

自分から部屋を出ようとしない蒼の言葉とは思えない。
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