泣かない理由
すがるように私を抱きしめている蒼に手をまわして、私はゆっくりと蒼の背中を撫でた。

「大丈夫、私は蒼が必要だから、どこか行くときは、蒼も一緒だよ。」

蒼が居ないと、蒼の作るハンバーグが食べられないし。

続けて言うと、「チマは食いしん坊だな」呆れた口調で言われた。

でも安心したようで、蒼はそっと私の体を放した。

地面から浮いていた私の足は、ようやく下へとおろされた。
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