君に捧ぐ‥



「それは、お前がはっきりしないから悪い!」



「…へ?」




「まず、木崎に、“あたしは何も悪くないんだから、勝手に恨んだりしないでよ”って言ってこい!」



「そっ、そんなこと言ったら、絶交されちゃうよ!」




「そしたら、それまでの仲だったってことだろ。ちゃんと友達に、ぶつかってみろよ。案外簡単かもしれないぞ?」



「……そうなの、かな…」




「そうだよ!ちょっと喧嘩するくらいが、ちょうどいいんだ!」



凪ちゃんの、屈託のない笑顔に押され、あたしは林檎に言うことにした。




「うん、言ってみる!!ありがと、凪ちゃん♪」




あたしは、凪ちゃんにお礼を言い、保健室を後にした。




凪ちゃんが、少し顔を赤くしているのに気づかずに。










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