君に捧ぐ‥



「……」

さっきから凪ちゃんは、無言で。


あたしも、凪ちゃんに話しかけられなくて。



2人、黙って歩いてた。




― ねぇ凪ちゃん。
どうしてあたしを助けてくれたの?


あたしバカだから…
期待しちゃうよ。




凪ちゃんが、
少しでもあたしに気があるって…





ぎゅっ‥



あたしは、思わず握っている手を強く握った。



「…っ!」





その手を凪ちゃんは一度離し…つなぎなおした。




“恋人繋ぎ”にして。










.
< 12 / 179 >

この作品をシェア

pagetop