君に捧ぐ‥
「へぇーっ、雛ちゃんの彼氏、先生なんだー」
「うんっ、これバレたら大変だから、絶対に誰にも言わないでね!?」
「もちろんだよ!誰にも言わない♪」
あたしとミサキは、こんな秘密の話をするほどに仲良くなっていた。
「禁断の恋だねー、なんかイイっ♪」
「アハハッなにそれーっ♪てゆーかそういうミサキは彼氏とかいないの?」
「………忘れられない人が、いるんだ。」
「忘れられない人…?」
「うん。前に付き合ってたんだけどね、ちょっと色々あって…好きなのに、別れちゃった……」
ミサキは、そういって笑った。
でも、笑えてなかった。
辛い恋をしてたんだろうなと思った。
聞いても、あたしはどうすることもできないから、そっとしておくことにした。
「そっか……あっ、もうこんな時間!ミサキも病室戻りなよっじゃーねー」
「うん、ばいばい」
あたしとミサキは、別れた。
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