君に捧ぐ‥
「おはよ、雛」
「おはよー…あたし目ヤバくない?」
「ヤバいね〜真っ赤っかだよ」
「はぁー…サボろっかな……」
「雛、ちょっといい?」
机に突っ伏していたあたしにそう話しかけてきたのは、
「新………」
あの日から、目も合わすことがなくなった新だった。
「話したいことあるから、屋上来てくんない?」
あたしは、ちらりと林檎の方を向いた。
林檎は、少し困ったような顔をしたけど、遠慮がちに笑い、頷いた。
「…わかった」
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