君に捧ぐ‥



「新っ、離して!」


同じ過ちを、繰り返したくない。



「やっと、手に入れたと思ったのに……雛は、簡単に俺を裏切った。」



ズキン…


そうだよね、あたし新を裏切ったんだ。
恨まれても、仕方ない。



「だから、今日はお前を傷つけてやろうと思った。ズタズタに傷つけて、もう二度と俺の顔なんか見たくなくなるくらいに傷つけてやろうと思った。」



あたし、そんなに新に嫌われてたの?



「でも、やっぱ無理だ…。好きな女、傷つけることなんてできねぇ。」



新は、あたしの顔を覗き込みながら言った。


その目は、真剣で。

あたしはそらすことができなかった。










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