君に捧ぐ‥
あの日から、ずっと避けていた。
どちらにするか、決まってないのに思わせぶりな行動なんかしたらいけないから。
「雛、俺もう待てない。」
ドキン…
あたしがいろいろ考えてるうちに、新はつま先が当たりそうなくらいに近づいてきていた。
「雛が決められないなら、俺が勝手に決めさせてもらう。」
「な、なにいって…!」
「俺、借り物競走出ることにした。」
新が…
借り物競走!?
借り物競走は、めんどくさい人や運動が苦手な人が集まるから、いつも盛り上がらなくて…
そんな競技に、運動神経のいい新が…?
「借り物競走、春風が出るんだよ……」
ドクンッ…
「俺、春風に勝つから。そしたら…俺を選んでくれ。」
「な、新…っ!」
「本気だから。」
それだけ言うと、新は行ってしまった。
「どうしよう……」
まだ、決めてないのに。
どっちを選ぶか……
.