君に捧ぐ‥
――――…
「そんな……」
信じられないよ…
ずっと忘れられなかったくらい好きだったのに、簡単に心変わりするものなの?
「雛……俺、雛と別れて、沙帆に告白されたとき、かなり揺らいだんだ。でも…やっぱり、違った。俺の中で、いつの間にか雛は沙帆より大きくなってたんだ。」
ドキン…
「凪ちゃん……」
「俺がはっきりしなかったのが悪かった。ごめん。俺は雛が好きだ。もう一度、俺とつき合って下さい。」
「……信じられないよっ……」
「……雛、これ見て。」
「……“大切な人”?」
凪ちゃんが差し出したのは、大切な人と書かれた一枚の紙切れだった。
「これ…借り物競走のお題。」
「うそ……っ」
「本当は、雛を連れてくつもりじゃなかったんだけど…。北条が、“先生がいかないなら雛俺が取っちゃうよ”なんて言うから……」
少し照れたようにそう言う凪ちゃん。
愛しくて…
やっぱり凪ちゃんが好きなんだと思い知らされる。
「雛、もう一回言うよ。俺と、つき合って下さい。」
「……っはい……」
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