君に捧ぐ‥
「林檎〜告白って、どうやってすればいいの?」
あたしは、半泣きになりながら、林檎にすがりつく。
「告白?…ってあんた、もしかして凪ちゃんに告白するつもり!?」
「いや、してるっていえばもうしてるんだけどね…」
「は?」
あたしは、目を丸くする林檎に、今までのことをすべてはなした。
「あんた…そりゃ冗談にとられても仕方ないよ。」
「だよねぇ〜?だからさあ、明日こそは本気で告ってみようかなぁって思って。」
「雛。」
久しぶりに聞いた、男にしては少し高い声に、一瞬胸が高鳴る。
「新…久しぶり。」
「おぅ。で、雛。春風に告ろうとしてるって、まじ?」
「えっ…うん、まあ…」
反対されると思い、言葉をにごした。
「ふぅん…。」
新は、少し目を伏せて言った。
そして、顔を上げ、少し冷たいような笑顔を浮かべ、言った。
「雛。お前は、必ず俺の所にくることになる。」
そう言うと、新は自分の席に戻っていってしまった。
背筋が、ゾクッとした。
あんな新の顔、初めて見た…
なにがあなたをそんなにさせたの?
ねぇ、新―…
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