君に捧ぐ‥
“春風凪さま
話したいことがあります。
放課後、
屋上に来てください。
青山雛”
「おっ、おかしくないかな!?」
「うん、いいんじゃない?」
あたしは、書いた手紙を林檎に確認してもらっていた。
「じゃ、渡しにいって…」
「雛。ちょっと待って。」
「……なに?」
林檎の顔が真剣で、少し緊張した
「あたしは、雛の友達だから、雛の好きな人が女だろうが、ちっちゃい子だろうが、おっさんだろうが…先生だろうが、誰であろうが、応援するよ?」
林檎は、にこ‥と笑いかけた。
「でも」
林檎の顔が、いきなり真顔に変わった。
「林檎と親しくない人は?林檎が先生をスキだったら…付き合ってたら。どう思うと思う?」
あたしは、その先を考えたくなくて、目を伏せた。
だって、きっと…
「きっと、“気持ち悪い”って、思うよね?」
林檎は、まっすぐあたしを見て言った。
「あたしだって、少しも気持ち悪いって思わないわけじゃない。あたしでさえこうなのに、親しくない人が、理解できると思う?」
林檎の言葉が、
あたしの胸に、頭に、全身に。
重く、のしかかってくる。
「はっきり言うけど、林檎の恋は、誰も望んでないし、みんなから認められないことなんだよ。」
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