君に捧ぐ‥



「アイツは、金ですべてなしにするような、最低な奴だぞ?」




「春風の恋人だった女は、退学になったのに、春風は転勤ごときで済まされたんだよ。」





「おまえも、同じようになりたいのか?」




新の言葉が、


あたしの頭の中にこだまする。




凪ちゃんは、そういう人だったんだ……



凪ちゃんがたまにする、どこか遠くを見てるような…そんな目は、





その子のことを見てたの?




「新……教室に、もどろ。」



あたしは、まだ凪ちゅんが来るかもしれない屋上を、あとにした。










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