君に捧ぐ‥

｢てめぇっ！どの面下げて凪の前に……｣

｢これはっ！｣


沙帆が、怒るタクヤの言葉を遮って言う。



そういえば、沙帆が叫んだのって…

初めてか？



｢……あたしたちの問題なんです。あなたは、黙ってて下さい。｣



｢……っ｣




何もいえなくなるタクヤを放って、沙帆は俺を引っ張って歩き出した。



｢タクヤ…っわり、後で連絡するわ！｣



｢……おう!!｣




｢沙帆…？おい、どこ行くんだよ……｣



｢……｣


沙帆は、俺を無視してどんどん歩いていってしまう。




｢沙帆………｣



どこへ向かっているのか…


どうして俺と沙帆は手を繋いでいるのか……




教えてくれよ、沙帆…










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