君に捧ぐ‥
―――…
「凪先生おはようございます!!」
生徒たちの元気な声。
「うん、おはよ。」
俺は、いつも通り学校にきていた。
「凪…先生!おはようございます。」
沙帆が、俺に挨拶してくる。
いつもは挨拶、しなかったのに。
「…おはよう、白石。」
俺は、みんなの前で堂々と沙帆に話しかけられることが嬉しくて、思わず満面の笑みで答えてしまった。
沙帆にしか見せない、とびきりの笑顔で。
『やっぱり、本当なんだよ!』
『うん…やばくない?』
『先生に、見せよう!』
俺は胸がいっぱいで、女子生徒のそんな会話なんて耳に入ってなかった。
これが始まりだった。
俺と沙帆の別れへと続く道のりの…。
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