君に捧ぐ‥



「凪……おまえ、自分がなに言ってるのかわかっているのか!?」


「わかってるさ…俺は、沙帆のためならなんだって捨てられる!」



俺には沙帆だけいればいいんだ。


沙帆だけ…



「沙帆が退学するなら、俺が…」
「凪っ!!」


言い掛けたところで、沙帆が息を切らしてこっちへ走ってきた。




「沙帆…っ」


俺が沙帆に駆け寄ろうとすると、沙帆は静かに首を振った。



「沙帆…?」


「白石さん!あなたは退学になったはずですよ!?」

「すいません。すぐに帰るんで、少しだけ待ってください。」



沙帆の、堂々とした態度に、教頭先生は怯み、黙ってしまった。




そして、沙帆はもう一度俺の方を振り返り、笑っていった。



「…凪……あたし、自主退学だから!!」










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