君に捧ぐ‥
「凪。帰るぞ」
「……はい………」
俺の心のなかは、沙帆という大きな存在を失い、大きな大きな穴がぽっかりと空いていた。
「沙帆……」
俺たちもう、戻れないのか?
そう思ったら、無性に泣きたくなった。
「父さん、俺歩いて帰ります。」
「…そうか。」
俺は、家までの長い長い道のりを一人歩いていった。
途中、沙帆にメールした。
返ってきた返事は、
“送信メールエラー”
それを見た瞬間、俺の目からは涙がこぼれた。
もう、戻れない。
あの幸せだった日々は、この手には戻ってこないんだ。
俺たちの関係は、今日終止符が打たれた。
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