社長と私
「………仕事、この辺なの?」
「何でそんな事聞く?」
モジモジするあたしに顔を顰める。
「勘違いするなよ。
俺はお前の子守を続けるつもりは更々ないからな。」
「……分かってるけど。
また会うかもしれないでしょ?」
パソコンをバンッと閉じて立ち上がりながらあたしの顔を見て、会ってももう忘れるよ。と言った。
少し傷ついたりなんかして、何も返せなかった。
「ほら行くぞ。」
そそくさと彼の後ろを追う。
当たり前の様にお金を払い、帰りもタクシー代。と1万円渡してくれた。
「………これに味をしめてまた同じ事すんなよ。
お前は男なめてるとこあるからな、気を付けねーと本当に事件ものだぞ。」