社長と私
「酔っ払うのは、寂しいのを紛らわすため。
男と寝るのは孤独を埋めるため。
…どっちみち寂しい女か。」
「…………そんな日も確かにある。」
彼を見ると、こちらを見ないまま外をぼんやり眺めていた。
「あるんだ。
誰にでも。
…だけど、それを自暴自棄になって続けていたら破滅するだけだ。」
身体から香る石鹸の匂いに吸い寄せられる様に彼の肩に頭を乗せる。
「…なら。
寂しいなんて思う間もないくらい満足させて。」
「………俺は寂しさの穴埋めになるつもりはないんでね。」
シュボッとタバコに火を付けて、あたしから少し離れた。